Raw Honey 生ハチミツ
古来から傷口を動から守り、傷口の回復にも役立つことから長らく外用として使われて来た生ハチミツ。
アメリカやロシアでは外科手術の後、傷口を守るために生ハチミツを利用すると傷口の治り方がとても速いという臨床結果も出ているそうです。
用途
本来の生ハチミツには高い保温効果があり、皮膚に潤いを与え肌の状態を整えてくれるため、化粧品などにも使われています。他にも様々な消化、グルコースオキシダーゼなどの抗菌・抗ウィルス、抗炎症作用のある酵素が多く含まれています。これらの酵素は口内炎、虫館、歯周病、喉の炎症などに効果があるだけでなく、風邪やインフルエンザの予防にも役立ちます。
栄養素
ビタミンB群、パントテン酸、コリン、約 10 種類のビタミン類をはじめ、カルシウム、カリウム、鉄など約 27 種類のミネラル、ブドウ糖や果糖などの炭水化物、酵素など 150 種類の栄養素が含まれています。
高温殺菌されたり高圧フィルターにかけられたハチミツはサラサラしているのに対し、生ハチミツは粘土が高くドロッとしていますがハチミツ本来の味を保っています。
乳酸菌
生ハチミツには、蜂の管にしか存在しないインジカム菌やアステロイデス菌という2種類の乳酸菌(ビフィズス菌)が含まれているため、腸内環境を整えるのにも役立ちます。通常であればショ糖が体内で消化吸収される際はビタミン B1 を消費してブドウ糖と果糖に分解されますが、生ハチミツでは、ミツバチの酵素によって、すでにショ糖がブドウ糖と果糖に分解されているため、消化に負担がかからず、速やかにエネルギー変換されるのです。
マヌカハニー
特にニュージーランドに自生するマヌカ(ギョリュウバイ、ティーツリー)の花のから採取されたハチミツは、メチルグリオキサールという抗菌成分を多く含んでおり、胃炎や胃などの原因と言われているピロリ菌、大腸菌や黄色ブドウ球菌などの有害細菌に対する効果が証明されています。また、マヌカハニーは UMF や GMO など抗菌活性力の強さを表す数値によってグレードが定められています。
熱処理について
高温加熱処理をすることでハチミツの瓶詰はとても簡単になり、大量生産が可能になりますが、65℃上で加熱殺菌してしまうことで、本来はちみつが持っている味や香り、栄養素や殺菌・抗菌力がすべて熱によって失われてしまいます。また高圧でフィルターにかける事により大切な栄養成分が失われてしまうため、ノンフィルターあるいは、低温でフィルタリングされたものであることも非常に大切です。
生薬としてのはちみつ
ハチミツと人々とのかかわりは古く、ギリシャ神話に登場するゼウスは幼少期にヤギの乳とハチミツで育てられたという言い伝えがあったり、エジプトやメソポタミアなど古代文明の洞窟壁画には人々がハチミツを採取する姿が描かれていたりします。
ハチミツが生薬だというと意外と思われるかもしれませんが、中国最古の薬物書「神農本草経」には「石蜜」として収載され、 「気を益し、中を補い、痛みを止め、毒を解し、衆病を除き、百薬を和す」とあります。漢方では粉末状の生薬を丸薬にまとめるためや、飲みやすくするためなどに使用されてきました。
ハチミツ自体が果糖とブドウ糖をはじめ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、ポリフェノールなど150種類以上の栄養成分がバランスよく含まれたスーパーフードです。消化吸収力を高め、胃痛や腹痛を緩和する作用があり、食欲不振や疲れがある時におすすめです。しかも体を潤す作用にも優れているので、空気が乾燥する冬場は、特に取り入れたい生薬です。
ハチミツには過酸化水素いう抗菌成分が含まれているので高い殺菌効果があります。例えば人気のマヌカハニーはこの過酸化水素に加えてメチルグリオキサールという抗菌成分も含まれているので、より高い殺菌効果が期できるといわれています。(「養命酒製造株式会社 生薬小話」より抜粋)